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フィリピンの総人口は今年1億人を突破、資源圧力が増大

記事の概要

フィリピン国家統計調整委員会(NSCB)は、フィリピンの人口が2013年末時点で9,735万人に上り、今年第3四半期または第4四半期に1億人を突破すると発表した。

同委員会はフィリピンの人口成長率は2%であり、国内総生産の成長率が4%以上を維持しているので就業の需要を満たすことができるとしている。

元の記事を読む→ 【2014年01月06日:新華社

激増!フィリピンの人口

「就業の需要を満たすことができる」って、人口の1割が海外に出稼ぎに行ってる状況でそんなこと言われても、まるで説得力ないのですがw

年度
人口(万人)
増加率(%)
1980
4,832
-
1981
4,954
2.52
1982
5,078
2.50
1983
5,206
2.52
1984
5,335
2.48
1985
5,467
2.47
1986
5,600
2.43
1987
5,740
2.50
1988
5,870
2.26
1989
6,010
2.39
1990
6,150
2.33
1991
6,300
2.44
1992
6,440
2.22
1993
6,590
2.33
1994
6,751
2.45
1995
6.841
1.33
1996
7,001
2.34
1997
7,165
2.34
1998
7,516
4.90
1999
7,678
2.16
2000
7,679
0.01
2001
7,859
2.34
2002
8,016
2.00
2003
8,188
2.15
2004
8,356
2.05
2005
8,526
2.03
2006
8,697
2.01
2007
8,871
2.00
2008
9,050
2.02
2009
9,100
0.55
2010
9,260
1.76
2011
9,420
1.73
2012
9,580
1.70
2013
9,748
1.76
2014
9,943
2.00
2015
10,142
2.00
2016
10,345
2.00
2017
10,552
2.00
2018
10,763
2.00

ついに1億人を突破するフィリピンの人口ですが、どれくらい増えているのか見てみましょう。過去30年のフィリピンの人口の推移です。なお、2012年以降は予測値です。(出典:国際通貨基金

要は30年で倍に増えたということです。同じ期間に日本は8%の人口増です。さらに、日本の人口が2倍に増えたのは1930年の6,400万人から1995年の1億2,500万人にかけてであり、65年かかってます。それを考えるとフィリピンの人口増がいかにハイスピードで進行してるかというのがよく分かりますよね。

記事の中で「人口の増加は経済の発展にそぐわないと、経済改革の措置も台無しになる」といったことに触れられています。元記事がフィリピンと領土問題で争ってる中国の国営メディアですので、フィリピンに対してネガティブなバイアスがかかっているという面は多少はあるでしょう。しかしそれを割り引いて考えても、この人口増をフィリピン社会が吸収できるのかは非常に課題が多いと思います。

まずは雇用です。フィリピンの町を歩いていると、見るからに仕事が無いですよという働き盛りの男女が昼間からブラブラしています。だからこそ海外に出稼ぎに行くのでしょうが。

それから、増えた人口に食べさせるだけの食料を手当できるのか。人口が増えれば食料にかぎらず、原油とか鉱物とか製品とか、フィリピンが自国で生産できない物品の輸入量も増えます。それを輸入できるだけの外貨をどうやって調達するのか?

キリスト教の影響もありますし、ファミリーで支えあうという文化が下地にありますので、フィリピンの人はとにかく産めよ増やせよです。これからも確実に人口が増えていくでしょう。増えた人口を幸せにすることができるのか。中国様に言われたかないでしょうけど、フィリピンの課題は大きいと思います。